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執筆者の写真Tetsuro Goda

近況

私の住むチェコ共和国も深刻な状況になってきました。

まずは隣国のスロバキアも状況が悪化し、私が講演をする予定だった首都ブラチスラバでのイベントは7月に延期に。


チェコでは3月10日の18時より100名以上参加のイベントは中止勧告。

学校も11日から閉鎖。期限は決まっておりませんが、1か月間は濃厚だとか。

陸路の主な国境では抜き打ちで体温検査を実施。38度以上の熱がある場合は即病院送りになり、隔離です。そしてイタリア帰りは必ず報告し、自宅で14日間待機。


チェコ政府の判断は日本に比べたら遅いのですが、決めたことをやるのは早いです。

というのもイベントの中止も発令したその日の夜から有効。学校も明日から休校です。

チェコ人の多くは共働きなので子供が家にいるということは両親のどちらかは仕事を休まないといけない。これが日本だと韓国帰りでも普通に会社に行くでしょうからね。


9日まではチェコ人にとって新型コロナウィルスは「一般的なインフルエンザよりまし」という意見が多かったですが、流石に10日以降チェコ人の顔色は暗いです。いずれにせよチェコ人の場合、中欧のお家芸「根拠のない自信」からイタリアが危ないということになっても沢山のチェコ人がイタリアのスキーリゾートに行っていましたので。


チェコの近代史を見ると興味深いです。オーストリア・ハンガリー帝国から独立する際は同じスラブ系民族であり、言葉も似ているスロバキアと連邦国家を形成し独立。しかし、それまでチェコとスロバキアは同じ国だったことはなく、同じオーストリア・ハンガリー帝国の属国でしたがチェコはドイツの影響が強い半面、スロバキアはハンガリーの影響を受けておりました。そしてチェコは欧州屈指の工業国であり、正直単独で独立してもよかったのです。しかし、いきなりの一人暮らしが怖かったのかシェアする生活を選びます。


そのシェアした相手のスロバキアはその後ナチスドイツにそそのかされ、チェコを見捨て、ナチスの傀儡国家として独立します。逆にチェコはミュンヘン合意で英国とフランスに見捨てられドイツの保護領に。結局第二次世界大戦後に再びチェコスロバキアになるのですが仲が良いわけがないですよね。悪魔に魂を売ったのに元カレと仲を戻そうとしたスロバキア。そんな元カノと復縁したチェコ。


チェコでは2019年が共産主義終了30周年と大々的に祝賀ムードでしたが、共産主義にしたのは自国民であり、どこかの国に占領されたわけではない。どこかの国から独立したのなら理解できますが日本が大政奉還30周年の記念行事なんかしましたかね。


そして話は前後しますが日本では当たり前で学習したシベリア出兵。しかし、このシベリア出兵の理由ってちゃんと説明できる人は少ないかと。本当の理由はシベリアの奥地で四面楚歌状況下にあったチェコ軍を救出するための出兵です。しかし、日本の教科書には載っていませんし、チェコではシベリア出兵自体マイナーな出来事扱い。


要するに助けた方の国民は誰を助けたか覚えていなく、助けられた国は誰に助けられた以前に助けられたことも覚えていない。この辺がトルコとの違いでしょうね。

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